犯罪・刑事事件の解決事例
#DV・暴力 . #離婚請求 . #婚姻費用 . #別居 . #不倫・浮気

夫の不倫・DVによる離婚調停・婚姻費用分担請求調停、不倫相手に対する慰謝料請求訴訟

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千田 賢 弁護士が解決
所属事務所四谷東法律事務所
所在地東京都 新宿区

この事例の依頼主

20代 女性

相談前の状況

相談者A子はB男と結婚した2年後に妊娠したが、妊娠中にB男が不倫をした。A子はショックで実家に帰ったが、B男が「もうしない。生まれてくる娘の子育てに協力し、愛情を注ぐ」と約束したので、B男を許し、自宅に戻った。しかし、A子が長女C子を出産した後、B男は子育てに非協力的でC子を可愛がることもなく、A子が文句を言うと逆ギレし、離婚を求めるようになった。数日後、A子はB男の携帯に「本当に俺でいいの?絶対に再婚して一緒に幸せな人生歩もうね」というメールを発見し、「全部話してくれたら離婚してあげる」と言ったところ、B男は「携帯を見る女なんか絶対に信用できない!離婚だ!」と怒鳴り、「2か月前から付き合っている。前の人とは別の人だ。離婚してくれ」と言った。ある日、口論になってB男がバットで机を破壊した。A子は恐怖で部屋の中を逃げ回ったが、B男はA子を壁に追い詰め胸倉を掴んで壁に押し付けた。A子が必死に「警察呼ぶよ」と言うと、B男はA子を解放して外出した。翌日、B男は「条件を守ればもう一度考え直してやる」と言い、①携帯は一切見ない、②俺の行動には一切文句を言わない、③金の管理をきちんとし、食費+雑費を月3万5000円以内に抑える、④C子が1歳になったら職場復帰する、という条件を示し、これを破った時点で即離婚だと言った。また、B男は一転して不倫を否定し「メールだけだ」と言った。A子は、B男が前日父親に相談して「不倫を認めるな。慰謝料なんて俺は払わないぞ」と言われたのだと思った。A子は、自分が優しくしていればいつかB男も目を覚ましくれると信じていたが、B男は自分の思いどおりにならないことに苛立ち、「お前の顔を見ていると吐き気がする」、「C子に父親は死んだと言えばいい」、「お前は女だから早くしないと再婚できないぞ。俺だって時間がない。別の人と早く男の子を作りたいんだ」、「子供に父親の記憶がないうちに早く離婚しよう」と暴言を吐き続けた。ある日の夜、B男がA子の寝室に無言で入って来て就寝中のA子の首を絞め、別の日にも、B男はリビングに無言で入ってきてテレビを見ていたA子の首を絞めた。いずれの日も、A子は無抵抗でじっとしたままB男の目を見つめていたが、B男は目を合わせずA子の首を絞め続けた。A子は「殺したいのならそうすればいい」と思ったが、しばらくしてB男は手を放して無言で出て行った。その他にも、B男はA子を蹴り、頭を叩くなどの暴力行為に及ぶことが度々あり、ある日の夜中、突然「離婚しろ!お前が全部悪いんだ。早く判を押せ!」と怒鳴った。ある日、A子は自宅のパソコンに不倫メールのデータがあるのを発見した。それを見てA子はショックで涙が止まらず、見たくもないものであったが、C子のため離婚しないためにも証拠を取っておく必要があると自分に言い聞かせて、パソコンの画面上に映し出されたメールを携帯のカメラでひたすら撮影した。数日後、A子はNPO法人に行き、C子のために我慢して夫婦関係を修復しようと思って相談したが、相談員がB男は「DV及び依存症」だと言うのを聞き、離婚を考えた。以前A子がB男から幼少時代の話を聞いた際に「親から虐待を受けていたのではないか」と思われることが多々あり、虐待を受けた子供は大人になって子供を虐待するという話を聞いたことがあったので、C子のためにも別れた方がいいと考えるようになったのである。その翌々日、A子は離婚の決意ができたこととB男の暴力から身を守るため、自宅を出て実家に戻り、その翌々週、法テラスの法律相談に行った。

解決への流れ

A子は弁護士Xに委任し、B男にメールで伝えた。するとB男は「もう話せないの?いきなり弁護士ってどういう意図なの?」、「A子が実家に帰ってから反省しました。ちゃんとC子を育てなきゃいけないと思い、謝ろうと思っていました」とメールし、A子の実家に押しかけて来た。しかしA子はB男に会うことを拒否し、怖かったので弁護士Xに連絡し、弁護士XがB男に電話すると、B男はA子に会うことを断念した。その後、B男はA子にメールで「ごめんね。父親になれていなかった。C子はA子と育てていきたい。離婚と弁護士対応はA子が決めたことですか?弁護士行くまではもう少し待ってもらいたかった。弁護士、さっき話したけど対応よくないから話したくないな。まぁA子を守る立場だし、お金とるためだから仕方ないけどね。弁護士の態度と内容次第で、俺もそんな知識ないから、親父の弁護士を紹介してもらうね。できればそこまでしたくないよ」と伝えた。翌日、弁護士XはB男と面談し、離婚原因はB男の不倫だと言うと、B男は不倫を否定した。弁護士Xが証拠があると告げても、B男は不倫を認めなかった。弁護士Xは交渉するのは無駄だと判断した。翌日、B男はA子にメールで「直接話したい。もしA子に戻る気持ちがあるのなら俺は考えるよ。C子はやっぱり育てて行きたい。弁護士を通しては話したくない」と伝えた。その後も何度か同じ内容のメールが届いたが、A子は一切返信しなかった。A子が把握していた不倫相手の情報は、氏名「山田N女」(仮名)と携帯電話番号と勤務先であり、法的手続をとるには不十分であった。そこで、弁護士XはN女の住所を調査するとともに、N女の携帯に電話した。弁護士Xが「あなたと不倫関係にあるB男さんの妻の代理人です」と言うと、N女は「え?何ですか?オレオレ詐欺ですか?警察に相談した方がいいでしょうか?」などと言って話にならなかったので、弁護士XはN女に通知書を送付し(送付先は職場)、「1週間以内に連絡がなければ法的措置を講じます」と伝えた。しかし、N女から連絡は来なかった。翌々日、通知書がN女に届いたからか、B男からA子にメールで「また仲良く暮らしたいです。毎日辛いです。もし少しでもやり直す気持ちがあれば有難いです。C子の幸せを思ってやり直してくれませんか?」と連絡が来たが、A子は無視した。なお、この日、調査していたN女の住所が判明した。1週間後、B男とN女の代理人弁護士から弁護士Xに受任通知書が届いた。不倫関係を否定し、「不倫を前提とする交渉には応じられないが、夫婦関係の修復に向けた話し合いには応じる」(B男)、「請求には一切応じられない」(N女)というものであった。しかし弁護士XもA子も、不倫を前提としない話し合いなどするつもりはなかった。5日後、B男からA子にメールが来た。「もうやめない?弁護士同士も話し出来ないってどうして?みんなA子の弁護士は過激だと言ってるよ。裁判してもお金を弁護士にとられて終わりだよ。わざわざ裁判に何故するの?A子の意志とは思いたくないよ」。その後、弁護士Xは、N女に対する慰謝料請求訴訟の提起、B男に対する婚姻費用分担請求調停及び離婚調停の申立をし、婚姻費用については第2回期日で調停が成立した。慰謝料請求訴訟及び離婚調停においては、N女もB男も不倫関係を否定したが、弁護士Xが証拠(不倫メール)を提出したところ、慰謝料請求訴訟の裁判所が不倫関係を認めてA子勝訴の判決を下したため、B男も不倫関係を否定しきれなくなり、不倫を前提にする内容で調停離婚が成立した。

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千田 賢 弁護士からのコメント

弁護士相手に交渉すると勝ち目がなく、本人同士なら自分の思いどおりに話を進められるということで、本人に直接話をし、さらには弁護士をやめさせるように働きかける人は珍しくありませんので、気をつけて下さい。