この事例の依頼主
60代
相談前の状況
依頼者は事件当時、泥酔していたため、その時の記憶は全くありませんでした。また、事件現場であるマンション内には防犯カメラも設置されておらず、目撃者もいなかったため、事件の証拠を確認するのが非常に困難でした。多くの証拠が法廷に提出され、現場に赴いたり、証拠を詳細に吟味する必要がありました。さらに、法理論上の問題もあり、検察官や裁判官、大学の教授に相談しながら、約1年と数ヶ月にわたる裁判に対応しました。
解決への流れ
依頼者は建築業に従事している男性で、過去にいくつかの前科を持っていました。ある日、自宅のマンション内で泥酔した際に事件に巻き込まれ、逮捕・勾留されました。その段階で、私が依頼を受け、代理人として対応を始めましたが、最終的に起訴され、裁判が始まりました。有罪判決を受けたが、依頼者から感謝され、真摯に向き合う重要性を実感しました。
刑事裁判で無罪を勝ち取る確率は非常に低く、ほとんどのケースで有罪判決が下されることが現実です。最初はこの事件を「負けた」と感じていましたが、依頼者からの感謝の言葉を受けて、弁護士としての尽力や姿勢が依頼者にとって大きな意味を持ったことを実感しました。この経験を通して、弁護士としての仕事がどんな結果であれ、依頼者に対して真摯に向き合うことが重要であると改めて感じました。