この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
相談時,視覚障がいのある方から,夫が亡くなったが戸籍の取り寄せや年金,金融機関の手続きがひとりではできない,また夫は自分とは再婚で,前妻との間に子どもがいるが,ほとんど付き合いがなく話し合いに不安があるとのことでした。
解決への流れ
当職が受任し(委任状は依頼者の娘さんに代筆してもらいました。これは障害者差別解消法で認められた合理的配慮のひとつです。),戸籍取り寄せ,年金事務所への届け出を行ったほか,前妻との子と会って,依頼者にはわずかの年金収入しかないため今後の生活の糧として不動産を取得させてほしいとの交渉を行い,無事遺産分割交渉を終え,知り合いの司法書士を紹介し,相続登記までサポートしました。
障がいのある方にとって,相続手続きのサポートに法律家の専門知識を要することが少なくありません。視覚障がいがある本件依頼者の方とのコミュニケーションは,大事な説明の際には直接会って十分説明し,判断を求めるという姿勢を重視しました。これにより信頼関係を築くことができ,生活実態を細かく聴き取ることができました。前妻の子どもとの交渉で,生活状況と依頼者の気持ちを伝えることができ,理解を得ることができました。この依頼者の方は,弁護士に依頼すると大金がかかるとの不安を持っておられたようでしたが,当職から着手金,報酬について説明すると,安心して委任していただけました。当職は,障がいのある方の権利を守る仕事を長年やってきました。安心しておまかせください。