共同相続人から遺留分侵害額請求訴訟を起こされた方からのご相談です。ご依頼者様は，被相続人の遺言により，被相続人の死亡時に存在する全ての遺産を相続したのですが，これを知った共同相続人が，ご依頼者様がその方の遺留分を侵害しているとして，ご依頼者様に対して侵害した遺留分の支払いを求める遺留分侵害額請求訴訟を起こしてきました。

遺留分侵害額請求をしてきた共同相続人は，代襲相続により相続人となった方で，遺留分侵害額請求に対抗するためには，代襲者である共同相続人と被代襲者の両者またはいずれかについて特別受益があるとして遺留分がゼロであると主張する必要がありました。被代襲者の特別受益についての立証活動は，既に亡くなられていることから事実確認が困難な上に証拠に限りがあり，特に困難を極めました。しかし，打ち合わせを通してご依頼者様との二人三脚での緻密な事実確認を行い，そして証拠をひとつひとつ丁寧に精査し，事実を積み重ねていくことで，遺留分がゼロであるとのゆるぎない事実を構築することができました。実際に判決では，遺留分がゼロであるとの認定がされ，相手方からの遺留分侵害額請求を全て退けさせることができました。