この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
相談者のY男さんは事故当時、40代前半の会社員の方でした。ある年の午後4時ごろに自転車で走行中,交差点にて普通貨物自動車に衝突され、約2メートル道路に飛ばされたことにより,外傷性くも膜下出血,頭部打撲,意識障害,脳挫傷等の重傷を負いました。Y男さんは,この事故により事故直後には生命にかかわる重篤な状況に陥り,危篤状態を脱した後にも意思疎通が困難な状況が続き,配偶者の介助が必要不可欠な状況が継続するなど仕事や日常生活にも大きな損害が生じました。しかし相手方は事故当時Y男さんに一時停止義務違反があり,相手方の過失責任はゼロであったと事実とは全く異なる主張を行い,提示してきた損害額も妥当と言えるものではありませんでした。Y男さんと相手方の間で過失割合や損害額を巡り,訴訟に発展しました。
解決への流れ
当事務所は、次のように解決させていただきました。相手方の主張する過失割合の前提条件に事実と異なる点があることを中心に主張を行いました。まず,Y男さん側に一時停止義務がなかった事実を主張するため,事故現場の舗装や路面ペイント,標示をストリートビューや区役所に問い合わせるなどして詳しく調べ,現場にあった標示は規制効力のない法定外表示であることを示しました。またY男さんの普段の運転態度や事故当日の前後の背景事情,実況見分調書の作成の経緯にまで踏み込み,Y男さんにいかに過失が無かったかを繰り返し主張しました。丹念な調査と一貫した主張の末,相手方の主張する事実に誤りがあったことが明らかになり,Y男さん側ではなく,相手方に過失責任があったことを裁判所に認めさせ当初の賠償額から約40倍もの賠償額での和解を成立させました。
本件では,依頼者様は事故直後,意識不明の状態が続き,回復後も意思疎通に困難があったりと本件事故により多大な損害を被り,苦しまれていた上で相手方による不当な主張がされていました。そのような状況で何とか正しい事実を基に過失割合を覆そうと丹念な調査を尽くし,一時停止義務が無かったことを証明いたしました。このように交通事故では,相手方から誤った事実による請求をされることもしばしばあります。その時に弁護士を通すことで,正しい事実を立証することが容易になり,また更に依頼者様の負担軽減にも繋がります。交通事故に遭われ,相手方との交渉にお悩みの際は,お気軽にご相談ください。